えっ?冬の北海道にホームレスの人がいるってほんと!?
「労働と福祉を考える会」として札幌の「ホームレス問題」に取り組み始めてから数ヶ月が経とうとしています。
この間、北大教育学部の学生と教授が中心となり、実態の把握・聞き取り調査から始まり、
様々な方々の協力を得て2度の炊き出しと健康相談会を行なってきました。
「ホームレス」といわれる人々が、まさか冬の北海道・札幌にもいるなんて、
この調査を始めるまで私達自身ほとんどの者が知らずにいました。
自分たちの足と目でその実態を知るにつけ、それまで抱いていた誤解や偏見が払拭され、
ホームレスの方々に対する認識を新たにしてきました。
12月25日、エルムの里公園において行なった第1回目の炊き出し「豚汁の会」には、
100食分の豚汁とおにぎり200個(100パック)を用意しました。
また、同時に実施した「健康相談会」では、医師・看護婦の方々の協力を得て、
問診と簡単な検査(血圧・尿など)を行ないました。事前に新聞報道などでこの取り組みを知った市民の方々から、
炊き込みご飯やクッキーなどの差し入れや募金が寄せられました。「豚汁の会」へは数十名の方の参加があり、
その中から健康相談会には7名の方が参加されました。
2月11日、同じ会場で行なった2回目の炊き出し「おにぎりの会」と「健康・生活相談会」では、
事前の宣伝が不十分だったせいもあり、エルムの里公園への参加者は減りましたが、
大通りの地下街へおにぎりを運び、そこにおられたホームレスの方々に手渡しすることを試みました。
結果的には全体で約40名の方々におにぎりとタオル・使い捨てカイロなど若干の物資を配布することができ、
また健康・生活相談会へも5名の方の参加がありました。この2回の健康相談会後、
紹介状をもとに市役所を通じて後日医療機関にかかることができた方も数名おられます。
この会の取り組みを進める中で、様々なご支援やご批判をいただいています。
私たちの活動は何をめざしているのか、その都度論議をしながら進めてきました。
炊き出しや健康相談などの支援活動だけに終わるのではなく、日本の貧困の象徴とも言える「ホームレス問題」を
自分自身の生き方と重ね合わせながら考え、自分たちのできる所から取り組みを進めていきたい、そんな思いでいます。